SINGER 103 シンガー職業用足踏みミシン
アンティーク足踏み・手回しミシンの販売・修理

　シンガーのドイツ工場で生産された職業用足踏みミシンです。日本の仕立て屋さんなど家内制工業のプロのテイラーなどに使用されていた機種です。

　こちらはシンガーでもモデル103と呼ばれ、製造されたドイツと日本で見かける機種です。おそらく縫い目が長くなるこちらのシンガーモデル103が着物を縫う日本の文化にマッチしたのでしょう。洋裁・和裁のどちらにも対応できると言うニーズを当時満たしたのかもしれません。ミシン本体の状態は一般的に遣い倒されている職業用足踏みミシンとしては平均的な状態です。今でも軽快に動作します。針は職業用ミシン針、またボビンやボビンケースは今でも市販されています。ベルトも新品に交換してありますので、消耗品を気にせず使用できます。

　テーブルは横に拡張できるバタフライテーブルになっています。こちらに届いたときには塗装は劣化して一部の木に損傷がありましたので、それらを補修して再塗装をいたしました。塗料にはイギリスでアンティーク家具の補修や塗装に使用されている天然樹脂シェラックニスを使用し、フレンチポリッシュにて仕上げました。長年経てば深みが増す不思議な塗料です。熱いカップやアルコール、または花瓶の水などに注意して下さい。脚部もクリーニングをして再塗装をしてあります。

　一度は使われなくなって当店へ舞い込んできた足踏みミシンですが、職業用ミシンとしてまた現役に戻ってほしい！と思ってしまう、そんな1台です。

　左の4枚目に牛革を縫っている写真を追加しました。革の厚さは約1.5mmほどを2枚重ね（計3mm厚）。針は革用16番、上糸は20番、下糸に8番を使っています。